令状なしの「GPS捜査」を違法とした3月15日の最高裁大法廷判決は

令状なしの「GPS捜査」を違法とした3月15日の最高裁大法廷判決は、GPS捜査のあり方についても、立法で整備することが望ましいと踏み込んだ「歴史的」ともいえる内容だった。判決を受け、警察庁は全国の警察にGPS捜査の自粛を指示した。

警察のGPS捜査はこれまで、その実態がほとんど知られてこなかった。捜査書類にGPSを使ったことを書かないなど、秘密にしてきたからだ。

その存在を明るみにし、警察の捜査に「待った」をかけた弁護団の6人は、いずれも法科大学院を経て弁護士になった、キャリア10年未満の若手だ。メンバーは62期(2009年12月、司法修習修了)の亀石倫子(主任)、小林賢介、西村啓、小野俊介、舘康祐と64期の我妻路人の各弁護士。事件を担当し始めたときは、弁護士になって4年ほどだったという。

1人分の弁護料を6人で分け合い、ほとんど手弁当で3年近く戦ってきた。「経験が浅いので、法科大学院で学んだ憲法刑事訴訟法の基本に忠実に、事件と向き合ってきた」(亀石弁護士)という、彼らの歩みを振り返りたい。

http://faeraureo.myblogs.jp/2017/03/16/sdrwergewr/
http://faeraureo.myblogs.jp/2017/03/16/dgerterter/

●「GPS捜査のこと、知らなかった」

そもそも、この裁判は2012~13年に、集団で店舗荒らしを繰り返し、窃盗などの罪で起訴された男性被告人(45)の刑事裁判だった。大阪府警は約7カ月間、被告人らの車両19台にGPS端末を設置し、捜査を続けた。

逮捕された男性から最初に依頼を受けたのは、亀石弁護士だ。当時所属していた事務所の先輩弁護士が担当するはずだったが、スケジュールの都合で亀石弁護士に回ってきたという。男性からは、警察からGPS捜査を受けたこと、手元には残っていないが実物も見つけたことを相談されたそうだ。

当初、亀石弁護士は、GPS捜査のことをまったく知らなかったと言う。「調べてみたら、アメリカでは2012年に違憲判決が出ているのに、日本では裁判例すらなかった。これは大変なことなんじゃないかと思った」

http://faeraureo.inshokuten.club/e860.html
http://faeraureo.inshokuten.club/e861.html

GPS捜査があったことを確信したのは、公判前整理手続で出てきた証拠の中に、13時間にわたって、犯行グループ4人の行動を追跡した捜査資料が出てきたとき。「GPS」の文字はなかったが、「絶対GPSを使わないとできないと思った」という。