ぽかぽか陽気に誘われてほころぶ桜の花

 ぽかぽか陽気に誘われてほころぶ桜の花、4月中旬信州須坂のお花見シーズンがやってきます。江戸時代、須坂藩13代藩主堀直虎によって桜花図『叒譜(じゃくふ)』がまとめられ、その歴史が脈々と流れる桜の町です。さくら名所100選の「臥龍公園」で竜ヶ池を囲む桜を愛で、郊外の豊丘地区に点在する昔ながらの里山の風景に溶け込む隠れた名木「豊丘五大桜」をめぐる桜ウォーキングを楽しんでみてはいかがですか。
絵画にように竜ヶ池に咲き誇る湖面の桜花「臥龍公園」
写真:和山 光一http://fhaoipeuroar.mino-ch.com
http://fhaoipeuroar.mino-ch.com/e34635.html


毎年20万人以上が訪れる「臥龍公園さくらまつり」。信州須坂の中央に位置し日本のさくら名所100選に選ばれている臥龍公園は、竜が伏せた形に似ていることから臥龍山と呼ばれる小山と竜ヶ池からなる市民の憩いの広場です。公園の設計は、日比谷公園などを設計した林学博士の本多静六が担当し、昭和6年(1931)に市民の健康第一を掲げる自然園をコンセプトに造られました。
広い竜ヶ池を囲むようにどこまでも続く200本の桜並木、公園全体では800本の桜が咲きます。見頃の時期は露天が並び、休日は朝からシートを持った地元の花見客でにぎわいます。竜ヶ池に浮かぶ弁天島に架かる弁天橋の朱色の橋と桜のコントラストが実に美しいのです。
写真:和山 光一

臥竜橋に向かって鮮やかに開く桜の花が湖面に反射し、シンメトリーの幻想的な桜並木の風景が映しだされ、北信濃・須坂の春を彩ります。
昼間の水面に映る桜並木を見ながらの散策も心地よいですが、さくらまつりの間の満開の期間中のみ日没とともにライトアップが始まります。水面に映し出される夜の桜もまた格別、漆黒のうるしを流したような水面に桜が浮かび上がり、妖艶な美しさに心惹きつけられます。
写真:和山 光一

歩き疲れたら桜の花びらが浮かぶ池でのんびりとボートに揺られて桜を眺めてみては如何でしょう。水の上から見る桜は陸とはまた違う趣が感じられますよ。
須坂市博物館で見る咲き誇る紙面の桜『叒譜(じゃくふ)』http://fhaoipeuroar.mino-ch.com/e34636.html
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写真:和山 光一

臥龍公園に併設された須坂市立博物館には、元和2年(1616)の初代藩主堀直重から明治4年(1871)の14代堀直明まで260年にわたって続いた歴代須坂藩主が描いた日本画や詠んだ俳句、親しんだという茶道具などが飾られています。数ある所蔵品の中から毎年桜の時期にのみ公開されているのが、『叒譜』です。江戸時代の桜の自生種・園芸種をほとんど網羅した桜の図譜で、文久元年(1861)13代須坂藩主堀直虎が序文を書き、まとめたものです。当時江戸市中で、みられた250の桜花図が綿密に描かれ、桜の品種の数は187種にもなり、桜研究の貴重な資料となっています。展示期間中、『叒譜』に描かれた250の桜花図がずらりと並びます。
写本とされる2冊は国立国会図書館が所蔵していますが元本の一冊は須坂市立博物館が所蔵しています。本物は貴重なため触れることはできませんが複製は手にとって見ることができますよ。(写真は複製)